手は動いているが、目は通っていない
画面はある。承認者もいる。しかし判断材料が画面に載っておらず、実質は押すだけ。 もっと多いのは、AIの出力をコピペして次のシステムに貼っているだけ、という形です。 人は作業として関与しているので「人が介在している」ように見えますが、 間違いを止める人はどこにもいません。
検査:承認画面に、否認するための材料が載っているか
AIに任せた仕事は、1回きりの指示で終わらせるのではなく、 「実行 → 検証 → 改善」という輪(ループ)にして回すと質が上がります。 このページは4段です。まずそのループの作り方を1枚の図で示し、 次に8月12日の会議で出た「VS」をその図に重ね、 人がループのどこに立つかを実際に操作して確かめ、 最後に OOKABE GLASS が目指す全体像(HWTL)を1枚にします。 末尾に、半年後に効いてくる失敗を3つ付けました。
AIをうまく使っている現場がやっているのは、賢い指示を書くことではなく、 実行 → 検証 → 改善の輪を作って回すことです。人の仕事でいえば、 書いた原稿に赤ペン添削を受けて、直して、また出す。あの回し方をAIに組み込みます。 これをループエンジニアリング(時間軸の設計)と呼びます。
AIの使い方の設計は5つある — このページが扱うのは、そのうちの④
ここから先は、すべて④の中の話です。ループを組んだうえで、人がその輪のどこに立つか。 それが HITL / HOTL という言葉の中身です。
8月12日の経営会議で、AIオペレーターの開発について「VS」のご指示がありました。 これは図1の輪の中に検証役を1人足すという話ではありません。 図1の輪そのものを、人の隣にもう1本立てるという指示です。
「今のオペレーター、VSエージェントを作りなさい」
「成約率の高いVSエージェントを作りなさい」
「VS」は、人と並んで自律的に回るループを、もう1本立てるということです。 AIの側のループは、人のやり方を写して覚えるのではなく、 成約率という結果だけを見て、自分で直しながら回ります。 だから人のやり方を正解にしない。ここが方針転換の中身です。 図1の「検証を別に任せる」も守られています。採点役は人ではなく、成約率という結果です。
比べるのは成約率だけ。人が上回っていればAIの側が直り、AIが上回れば人の側が学ぶ。 取れなかった案件が、次のVSエージェントの教材になります。 そしてこのもう1本が人と同等以上になったとき、その業務は図4の「AIの速度で回るループ」に移ります。 監査法人対応で挙がったAIによる監査のセルフ化も、同じ形です。 外から指摘される前に、自分たちの側にもう1本、回る仕組みを持つ。
円い軌道は図1のループ、中心はAI、動く点は1件の仕事です。3つのモードで軌道はまったく同じ。 変わるのは人が立つ位置だけです。ボタンを実際に押して、速さと止まり方の違いを確かめてください。 なお HITLが遅くなる理由の多くは、人の判断ではなく、承認したあとの受け渡しの手作業のほうです。 この装置でも1件につき2回、手が要ります。
HITL・HOTL は業務ごとに選ぶものです。会社全体で見ると、複数のループが同時に回り、 人はその間を動くことになります。この状態の全体像を、この資料では HWTL — Human with the Loop(ループとともに働く人)と呼びます。 HITL・HOTL に並ぶ4つ目の型ではなく、業務ごとに貼り分けた状態を1段上から見た言葉です。
業務によっては HOTL で管理し、内容によっては HITL が併存する。 人は、人でないとできない仕事と、新しい価値や問いの創造と、AI駆動の監視を受け持つ。 AIは、設計されたループの中で定型業務を高速に、高い水準でさばき続ける。 この併存した状態の全体を、1段上から指す言葉が HWTL です。
導入時ではなく、半年後に効いてくる失敗です。どれも「人が関与している」という 形は保たれたまま、中身だけが抜けていきます。
画面はある。承認者もいる。しかし判断材料が画面に載っておらず、実質は押すだけ。 もっと多いのは、AIの出力をコピペして次のシステムに貼っているだけ、という形です。 人は作業として関与しているので「人が介在している」ように見えますが、 間違いを止める人はどこにもいません。
検査:承認画面に、否認するための材料が載っているか
ダッシュボードは作った。停止ボタンも付けた。しかし止めた実績が1度もない。 HOTLは「見ている人がいる」ことが前提の設計なので、監視が形骸化すると、 実態は輪の外(HOOTL)に落ちます。
検査:止めた回数・拾い上げた件数を数えているか
「このシステムはHITLです」という決め方は、ほぼ必ず過剰か過少になります。 貼り分ける単位はシステムではなく行為です。取り消せない行為の前にだけ人を置き、 残りは監視で受ける。図4の貼り分けは、この単位で行います。
検査:取り消せない行為だけを列挙できているか